三代の現役 第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦 第21局第3譜=訂正・おわびあり

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 第21局第3譜(28―68)

 白 十段 村川大介(1勝4敗)

 黒 九段 羽根直樹(3勝1敗)

 (6目半コミ出し)

     *

 村川の十段獲得と同じように、平成最後の4月は羽根にとってもうれしいことがあった。16歳の三女、彩夏(あやか)さんの入段である。泰正―直樹―彩夏と続く羽根家三代目。三代にわたるプロ棋士は珍しくないが、いずれも現役というのは初めてだ。そのうち、親子対局や祖父と孫の対局が実現するかもしれない。

 村川が白28の絶好点を占めて昼の休憩に入った。再開後、羽根は22分を費やして黒29。白30に応じられて後手を引くけれど、ほかに打ちようがなかったのだろう。

 彦坂解説者「白32から決めて36は当然の封鎖。羽根さんはこのような進行を苦にしないタイプで、予定どおりだったのでしょう。しかし私は白よしと判断します」

 白54まで黒を二眼で生かし、強大な外勢を得た。苦にしないといっても、羽根は苦戦を覚悟したと思う。その表れが左下と右下ではないか。まず黒55。左辺に白があるのでAI流のダイレクト三々とはやや異なるが、羽根の三々入りは珍しい。なりふり構っていられず、地の戦いにするにはこの一手だ。

 次に黒65。一間ジマリは地に甘く、好きではないとうかがったことがある。その羽根でも、白の外勢を意識せざるを得ないのだ。

 「白66、68の村川さんの構想には感心させられました」と解説者。(春秋子)

     *

 消費 黒 2時間16分

    白 1時間25分

 (持時間各5時間)

 <訂正して、おわびします>

 ▼30日付囲碁・将棋面の「第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦 第21局第3譜」の観戦記で、羽根彩夏さんが羽根直樹九段の「長女」とあるのは「三女」の誤りでした。確認が不十分でした。

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