(寂聴 残された日々:27)山尾さん、孤独の出発に自信を 恋は理性の外、人生は続く

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 何気(なにげ)なくつけたテレビの画面いっぱいに、端正な美貌(びぼう)の女性が、涙のたまった両目をしっかりと見開き、正面を向いてしきりに言葉を発している。その表情がまれに見る美しさだったのと、しゃべる言葉がしっかりしているのに驚かされ、テレビから目が離せなくなってしまった。

 当時、民進党の山尾志桜里議員の正面を向いた顔が、ずっと映され、必死に涙をこらえた泣き顔の美しさに、思わずこちらも膝(ひざ)を正していた。はっきりした口調で語りつづける声や言葉は、乱れることなく、今にも崩れそうな表情より頼もしく、しっかりしていた。

 発売されたばかりの週刊文春に、9歳下の弁護士との交際を不倫と発表され、問題になっていた。両方の家庭に配偶者と子供がいた。

 週刊文春の記事は写真入りで…

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