「事実上のつるし上げ」すぐに撤回 マイクオフ問題、知事発言要旨

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渡辺淳基

 水俣病患者らの団体と伊藤信太郎環境相が今月1日に懇談した際に、環境省職員がマイクの音を切るなどして団体側の発言を遮った問題をめぐって、熊本県の木村敬知事が10日、同席していた知事自身の対応について説明する際、紛糾した懇談の様子を「事実上、つるし上げになっていた。大臣も環境省も」と表現した。直後に訂正し謝罪する一幕があった。

 記者会見での主なやりとりは以下の通り。

 ――懇談で、環境省の職員が発言中にマイクを切ったことが問題になっている。知事はどう感じているか。

 「本当に残念に尽きます。なんでこうなっちゃったのか。伊藤(信太郎)大臣はすごく真剣に聞いてくださっていた。事務方の不手際で、せっかくの意見交換が台無しになってしまったのは非常に残念。(環境省の)秘書課長には、(運営を)見直さなきゃいけませんよということを伝えた」

 ――当日、知事もあの会場にいた。3分以上経ったら、マイクが切られるということはご存じだったか。

 「3分でそろそろというのは…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年5月10日22時40分 投稿
    【視点】

    トップはうるうるしていた、事務方は何をやっているんだ、つるし上げになっていただろ、と。そこじゃないでしょ。最もつらい立場にある人たちのことを、最も考えるべき立場なのに考えていない。発言を直後に撤回できたのは、環境相より熊本県知事が当事者に近

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2024年5月11日0時48分 投稿
    【視点】

    目線がどこにあったのかを如実に示したような発言だと感じます。水俣病の患者団体らの目線に立てば、「つるし上げ」なんて言葉はとても出てこないでしょう。水俣病と向き合う中で、日々の暮らしの中で感じている苦しみや怒りを環境相らに語りかけることがどう

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