学童に落ち内定辞退、職を転々 振り回される「小1の壁」への憤り

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小林未来
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どうする?埼玉の学童①

 さいたま市に住む保育士の女性(46)は2022年3月、4月から働く予定だった保育園に連絡を入れた。

 「子どもが学童に落ちたので、内定は辞退させて下さい」

 現在小3の長女が小学校に入学する直前のことだった。

 学童に入れないと、学校のない春休みや放課後など基本的に家で過ごすことになる。幼稚園を卒園したばかりの6歳の子どもを、4月1日から急に一日中家に残しておくなんて絶対に無理――。

 女性は泣く泣く内定を蹴り、専業主婦になった。

 子どもが小学生になると、放課後をどう過ごさせるかが大きな悩みのたねとなります。記事後半では、小1の壁に直面した女性のその後を紹介します。

■数値化される利用選考…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年5月7日7時19分 投稿
    【提案】

     学童に入れないこともある、入れても詰め込みの劣悪な環境だったりする。就学前の保育も、やや改善されてきたとはいえ必要な世帯に行き渡っていない上に、就学後の放課後の問題が大きく浮上している。  地域の公立図書館、公立体育館、公民館などに、見守

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    机美鈴
    (朝日新聞記者=ジェンダー、性)
    2024年5月7日10時46分 投稿
    【視点】

    「保育園落ちた日本死ね」というフレーズが注目され、待機児童問題に注目が集まったのは2016年のことでした。 あれから8年、保育園世代が小学生になり、学童保育の利用者は過去最多の140万人に達する一方、「学童落ちた」の声が飛び交うようになりま

    …続きを読む