核のごみ文献調査、玄海町議会特別委が請願採択 原発立地自治体で初

渕沢貴子
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 原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の最終処分場をめぐり、佐賀県玄海町議会の特別委員会は25日、処分場選定の第1段階となる文献調査を求める請願を賛成6、反対3で採択した。26日の本会議でも採択される見通し。町内には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体の議会が文献調査を容認するのは初めて。

 文献調査は自治体の応募か受け入れが必要で、今後は脇山伸太郎町長の判断が焦点となる。脇山町長は特別委の後、報道陣に「議会で採択されたので大変重く受け止めている」と述べ、5月の大型連休明けにも判断する考えを示した。文献調査に応じれば、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村に次いで全国3例目となる。

 請願は今年1~3月、町内の旅館や飲食、建設関連の3団体から出され、文献調査に応じることは「(原発がある)自治体の責務」などとしている。全国の立地自治体に文献調査の受け入れを促すねらいがあり、他市町村の判断に影響する可能性がある。

 文献調査は、2020年に北海道の2自治体が応じて以降、手を挙げる市町村は出ていない。請願理由では「(処分場選定に)苦労している国に協力するべきと考える」とも主張している。

 玄海町は、財政が豊かとされる地方交付税の「不交付団体」だが、調査に応じると国から最大20億円の交付金が出る。

 処分場選定の第2、第3段階の調査では、知事の同意も必要になる。山口祥義・佐賀県知事は「最終処分地も含めて新たな負担を受け入れる用意はない」と明言している。(渕沢貴子)

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