復興の失敗を能登で繰り返してはいけない 東北の被災者が抱く使命感

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聞き手・東野真和
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 能登半島地震の被災地をどう復興していくか、議論が始まっている。東日本大震災で被災経験のある阿部晃成・宮城大特任助教は、故郷の復興を「失敗」と言い切る。同じ轍(てつ)を踏ませないため、能登に通って住民の動きを支援する阿部氏に、復興のありかたについて聞いた。

 故郷の宮城県石巻市雄勝町は、東日本大震災からの復興に失敗しました。防潮堤ばかりが目立ち、約4千人だった人口は4分の1に。高齢化も一気に進みました。地区を出た人は残った人より健康状態や心理的苦痛が悪化しているというデータもあります。

 原因はいくつかあります。行政は防潮堤を高くして高台移転する選択肢しか示さず、住民も合意形成ができなかった。さらに、早期復興が大事だと、十分議論がなく計画が決められ、間違った方向に行きそうだとわかっても見直しませんでした。一方で高台移転などの大規模事業に年月がかかり、戻りたかった人も避難先の生活が定着してしまいました。

 過ちを繰り返してほしくない…

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