夫はアルツハイマー? スウェーデンの診断方法との違いにがくぜん

有料記事それぞれの最終楽章

[PR]

それぞれの最終楽章 認知症の家族をみとる(5)

スウェーデン福祉研究者 藤原瑠美さん

 夫が原因不明の体調不良を本格的に訴えて「病院行脚」をするようになったのは2009年ごろからだ。

 自律神経のバランスが崩れているのは明らかだったが、03年3月から担当する札幌駅南口広場に面するショーウィンドーのデザインの仕事は精力的にこなしていた。東京・銀座の「和光」に勤務した約30年間、4丁目交差点のショーウィンドーを手がけた実績と作品への評価は高く、13年3月までに札幌の街を飾った42作品は後年、写真集「HATTORI HARUHISA SHOW WINDOW」にまとめた。

 09年夏、夫は玄関先で転んで額を17針も縫う大けがをした。当時、胸苦しさやだるさが続いていて、医療機関を渡り歩いては抗うつ剤などが処方されていた。そして10年末、ある病院の精神科で、MRI画像に基づき「アルツハイマー型認知症」と診断された。だが、私は、短期記憶がしっかりしていて、出張の手配も自分でできる夫がアルツハイマーだとは思えなかった。

 夫は処方された治療薬を飲み…

この記事は有料記事です。残り1118文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません