愛知知事リコール署名偽造事件、事務局長に有罪判決 名古屋地裁

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 2019年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展に端を発した大村秀章愛知県知事解職請求リコール)署名偽造事件をめぐり、地方自治法違反罪に問われた元県議でリコール運動団体事務局長の田中孝博被告(62)の判決公判が19日、名古屋地裁であった。

 大村陽一裁判長は「地方自治の運営そのものを揺るがしかねない悪質な犯行」などとして懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決によると、田中被告は20年10月下旬、被告の次男(31)と広告関連会社元社長(41)=いずれも有罪が確定=らと共謀し、佐賀市でアルバイトに愛知県内の有権者計71人の氏名を署名簿に書き写させて偽造した。

 判決では、田中被告が事務局長として共犯者らを差配し、署名偽造の進捗(しんちょく)状況を管理するなどした「首謀者」と認定。また共犯者に法定署名数に匹敵する署名の偽造を依頼した点や、「ばれないから大丈夫」などと被告が周囲に話していたことなどを踏まえ、「偽造が発覚しないと高をくくってリコールを成立させようとした」と指摘した。

 争点となっていた県選挙管理委員会による署名簿調査の違法性の有無については、地方自治法に沿った適正なものと認定した。

 その上で、田中被告がリコール活動を国政進出の足がかりにしようとしたとして、「動機も誠に利己的」と非難した。

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