超円安で「新興国化」する日本 異次元緩和の末に

有料記事

[PR]

記者コラム 「多事奏論」 編集委員・原真人

 円安は輸出産業の業績を好転させ、めぐりめぐって日本経済全体にもプラスになる。そう信じられてきた。だが足元の円安は総じて歓迎されていない。物価高に拍車をかける「悪いニュース」だ。

 この2年、円は何度か1ドル=150円超まで売られたが、今年初め、140円まで戻した。そこからはもっと高くなって130円台で推移する――。それが多くの民間エコノミストたちが少し前まで描いていた今年の相場シナリオである。

 なぜなら米国はインフレが落ち着いて利下げが近づき、日本は異次元緩和を終え利上げ局面に入る。日本はもともと経常黒字国だし、日米金利差が縮まれば円はもっと買われるはず、という読みだ。

 企業経営者たちもそう見てい…

この記事は有料記事です。残り1117文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2024年4月20日17時16分 投稿
    【視点】

    確かに日本円は安い! 確かに政策金利を上げてもいいかもしれない。(複数のファクターがあるからそれだけで変わる保証もないけど)。 だが、真の問題は為替レートというより、国民の可処分所得額の低さではないでしょうか? バブル時代のピーク時も今と

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年4月21日23時29分 投稿
    【視点】

    10年前、20年前からの「デフレと経済停滞は金融緩和で解決するか」の論争は「否」で決着がついた形となった。実験の後始末の大変さも既に議論されてきたのだが、悪い予測の方が当たらないことを祈るばかりである。

    …続きを読む