出頭しなかった男性の不起訴に〝異議あり〟 検審がそう判断した訳は

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大野晴香

 裁判所から呼び出し状が送られたのであれば、呼び出しを受けたとわかっていたはずだ――。

 裁判所に出頭しなかった男性について、広島第二検察審査会はそんな理由で、起訴するべきだとの議決を出した。広島地検は「呼び出しを認識していたと認定するのは困難」として、民事執行法違反(陳述等拒絶)の疑いについて不起訴処分にしたが、検審はこれを覆す判断をした。

 検審への申立書などによると、事の始まりは、広島地裁が男性に対し、知人関係にあった会社役員に弁済金を支払うよう命じたことだった。だが、会社役員に弁済金は支払われなかったため、男性に所有財産を説明させる「財産開示手続き」を申し立てた。

 地裁はこの手続きの実施を決め、男性に呼び出し状を郵送したが、男性は出頭しなかった。同法は、債務者は期日に出頭して財産について説明しなければならないと定めている。そこで、会社役員は男性を告発したが、広島地検は昨年、「(男性が)財産開示期日とその呼び出しの事実を認識したと認定することは困難」として不起訴処分にした。

民事執行法違反事件、大半が不起訴

 会社役員は不服として検審に申し立てた。すると検審は、裁判所からの通知書に記載された「期日呼出」や日時などから、こう指摘した。

 「何らかの対応を求められて…

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