生駒・法楽寺の四天王像など、新たに7件 奈良県指定文化財に

今井邦彦
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 奈良県教育委員会は新たな県指定文化財に、法楽寺(生駒市高山町)の木造四天王立像(りゅうぞう)や、日本聖公会八木基督(きりすと)教会(橿原市南八木町)など7件を指定した。県指定文化財は計582件となった。

 指定は3月22日付で、有形文化財は5件。法楽寺に伝わる木造四天王立像は、いずれもクスノキとみられる材の一木造りで、平安時代中期~後期の作と推定される。八木基督教会は1936年に建設され、洋風の教会建築の2階に、桟敷席にもなる畳敷きの和室がある珍しい構造が貴重とされた。

 ほかに、奈良市春日大社所蔵の紙本(しほん)金銀泥春日社頭図六曲屛風(びょうぶ)(鎌倉時代)、同市・唐招提寺所蔵の黒漆(こくしつ)厨子(ずし)(室町時代)、吉野町・阪本龍門文庫所蔵の大峯(おおみね)葛城入峯(にゅうぶ)日記(桃山~江戸時代)が指定された。

 有形民俗文化財に指定されたのは、五條市所蔵の、吉野の漆搔(か)き用具(明治~昭和初期)。同市賀名生(あのう)地区で立ち木から漆液を採取するのに使われた鉈(なた)や鎌、へらなど109点が、漆器産業を支えた漆搔きを語る上で不可欠と評価された。

 大和郡山市八条町などで見つかった飛鳥~平安時代の下ツ道(しもつみち)は、史跡に指定。奈良盆地を南北に貫き、平城京の朱雀(すざく)大路につながる古代道路の一つで、「日本書紀」の壬申の乱(672年)の記事から、飛鳥時代には存在したことが確認できる。2002年度からの発掘調査で160メートル以上にわたって幅約24メートルの道の両側溝が出土し、一部が既に史跡として整備されている。今井邦彦

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