2年前のプール事故、再捜査 日本人男児死亡「過失致死事件の疑い」

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バンコク=大部俊哉
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 2年前の2022年4月5日、ベトナム南部のリゾートホテルのプールで、日本人の男児(当時10)がおぼれて亡くなった。現地当局は23年に「事件性がない」として捜査を終了したが、今年に入り、「過失致死事件の疑いがある」として、一転、再捜査を始めた。遺族は真相解明を願っている。

 現場はベトナム南部ビントゥアン省のリゾートホテル。22年4月5日午前10時半ごろ、母親(47)と友達家族と一緒に遊びに来ていたホーチミン市在住の会社員塙(はなわ)義一さん(56)の長男、幸士(ゆきじ)さんが、プール壁面の排水口に吸い寄せられ、沈んでいるのが発見された。病院に搬送される途中で、死亡が確認された。

 遺族の話や現地報道によると、司法解剖の結果、死因は溺死(できし)とされた。地元ファンティエット市の捜査当局は現場検証をしたが、23年7月、「事件性はない」と結論づけた。

 だが、プールの水深が1メートルだったのに対して、幸士さんの身長は1メートル40あった。日頃からプールに通い、夏休みにはスイミングスクールに通うなどしており、泳ぎも得意だった。しかも背中一面に、排水口の金網の穴と似た形の濃い紫色のあざがついていた。

 プールの設備や安全管理に問題があったのではないか――。疑問を持った弁護士と遺族は、ベトナムの中央当局や日本大使館に要望書を送るなどして、再捜査の要請を重ねた。

 捜査打ち切りから7カ月たった今年2月。市当局の上部組織にあたるビントゥアン省の捜査当局から、過失致死の疑いで調べると通知があった。3月25日、遺族や弁護士、ホテル関係者らの立ち会いのもと、捜査員が現場検証を行った。

記事後半では、父の義一さんに今の思いや当時の様子を聞いています。

 当局が協力を依頼した、幸士…

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