徳島新聞社が編集部門を分社化 新入社員の給与抑制目的、労組は抗議

山田健悟
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 徳島新聞を発行する一般社団法人徳島新聞社(徳島市)は1日、取材や記事の執筆などを担う編集部門を分社化した。

 来春以降の新規採用社員の給与水準を大幅に抑えることが目的で、労働組合は「職場に格差と分断を広げ、労働者の士気を下げる」と経営側に抗議する声明を発表した。

 同社は編集部門の分社化によって2025年以降に採用する新入社員の給与水準を現行の75%にすると労組に説明している。労組は分社化の撤回を求めて3月14日にストライキをした。

 1日に発表した声明は全国紙や地方紙の労組が加盟する新聞労連の連名で、経営側の姿勢について「『人材搾取企業』そのものだ」と批判した。

 そのうえで「次世代の絶望が(地域のニュースを伝えるメディアが衰退したり消滅したりする)ニュース砂漠を広げるという事実に、経営陣は目を背けている」と指摘した。

 徳島県庁で記者会見した労組の阿部司委員長は「分社化撤回の旗は降ろさない。これからも、経営陣との議論を求めていく」と話した。

 労組によると、経営側が分社化を進めたことを理由に、若手記者を含む3人が退職したという。

 同社は1日、取材に「組合との団体交渉には引き続き応じ、厳しい環境をともに乗り越えたい」と回答した。

 さらに、労組が求める分社化撤回に応じるかどうかについては「現時点ではその考えはない」としつつ、「経営状況の大幅な改善やその見込みがあれば見直すこともある」とコメントした。(山田健悟)

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