警察庁キャリア2人を中途採用 初実施に800人応募「多さに驚き」

編集委員・吉田伸八
[PR]

 警察庁が初めて実施した国家公務員総合職(キャリア職員)の中途採用で、係長級の2人が採用され、1日、入庁した。大卒後に大手金融会社に3年勤めた男性(25)が警察官(警部)、大学院卒で大手メーカーに4年勤めた男性(29)が技官となった。昨年秋の募集に20~50代の800人を超える応募があったという。警察庁は、幹部候補となるキャリアの中途採用を今後も続ける。

 他の中央省庁が以前から、社会人経験のある人の中途採用をしてきた中、警察庁は特有の研修や現場経験が必要だなどとして行ってこなかった。しかし、厳しい治安情勢に対応するには多様な人材を確保すべきだと判断し、方向を転換。民間などで7年以上の勤務経験がある人を課長補佐級(警察官の階級は警視)、経験2年以上の人を係長級(警察官は警部)として採用する計画で、昨年10月末から募集を始めた。

 補佐級と係長級を合わせて800人超(うち2割近くが女性)の応募があった。応募は民間企業の様々な業種のほか、中央や地方の公務員、国際機関職員など幅広い職種に及んだという。書類審査と論文、面接で絞り込み、幹部らの面接を重ねて採用者を決定。補佐級の採用はなかった。

 採用された2人は、民間での勤務開始と同じ時期に新卒で入庁したキャリアと「同期」とみなされる。警察大学校で研修を受け、警察官は現場の警察署で、技官は都道府県情報通信部でそれぞれ現場研修をし、本庁の係長級の仕事に就く。

 警察庁は「新卒時は関心がなかったが社会人を経て警察を志した人など、経験と熱意、知識のある人が多数いた。応募の多さは驚きであり、そうした層がたくさんいることを知れたのは収穫だ」としている。(編集委員・吉田伸八

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら