サンショウ異変は刺激求める時代の空気か 人気過熱に江戸からの戒め

有料記事多事奏論

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記者コラム 「多事奏論」 編集委員・長沢美津子

 確かに、サンショは小粒でもピリリと辛い。いまの時代が凝縮されている。

 「異変」を聞いたのは、京都の菓子屋さんからだった。お店にサンショウをきかせた餅生地で、こしあんを包んだ名物がある。長年のファンは多いが「サンショウを手に入れるのが大変になって」。品薄と高騰に、仕入れ先である七味屋さんも困っていると。

 気づくと近所のスーパーで、愛用する粉サンショウが販売休止。新たな生産者を探していたことを、再開後に知った。

 縄文遺跡から出てくるくらい長いつきあいの植物なので、ブームではなく再発見というべきか。未熟な青い実も、熟した乾燥品も、サンショウはひっぱりだこだ。供給が追いつかない。20年ほど前は、産地が過剰生産を心配していたというから、大逆転である。

 佃煮(つくだに)や薬味とい…

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