ネット上の「闇バイト」、3カ月で4411件 警察依頼で削除は半数

編集委員・吉田伸八
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 警察庁によるネット上の情報の監視で、高額報酬をうたうなどして犯罪の実行役を募る「闇バイト」の書き込みが昨年12月末までの約3カ月間に4411件把握された。サイト管理者などに削除を依頼し、約半数が削除されたという。

 情報の監視は警察庁が「インターネット・ホットラインセンター」に委託し実施している。「ルフィ」などと名乗る男らが特殊詐欺や強盗の実行役を集めていた事件をふまえ、昨年9月29日から「犯罪実行者募集」(闇バイト)の情報を対象に追加。人工知能(AI)も活用し、情報を収集、分析している。

 警察庁のまとめでは、サイバーパトロールや一般からの通報で把握した情報のうち、12月末までに4411件の書き込みを闇バイトに関するものと判断。その後削除された投稿を除く2979件についてサイトや掲示板の管理者などに削除を依頼し、うち2136件が今年1月末までに削除を完了した。依頼しても管理者側の判断で削除しないケースがあるという。

「タタキ」「100万以上稼げます」

 闇バイトの投稿にはX(旧ツイッター)などのSNSが多く使われている。闇バイトに関する投稿は、強盗を意味する「タタキ」といった言葉や、「100万(円)以上稼げます」など高額な報酬をうたう文言や文脈から判断するという。

 ネットの情報監視では、安倍晋三元首相が手製銃で銃撃され死亡した事件をうけ、昨年2月15日からは、生命・身体に危害を加える犯罪に誘うといった内容も対象になった。殺人や強盗、放火などの犯罪に誘う投稿は12月末までに411件あり、うち252件が警察庁の依頼で削除された。この中にも強盗などの闇バイトの情報が含まれるという。(編集委員・吉田伸八

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    金澤ひかり
    (withnews編集部=若者、ネット)
    2024年3月14日14時19分 投稿
    【視点】

    SNS上にあるショート動画などを見ていると、ネット上に出ている「闇バイト」の情報を使ってビューを稼ぐためのコンテンツを作る人をみかけます。 報道に携わる人間としては、犯罪につながる可能性のある情報を安易にコンテンツ化することに危険を感じて

    …続きを読む