(やっぺし)411人が行方不明の町 漂う心、定まらぬ伝承の姿

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東野真和
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 3月11日

 あなたの家族が災害に巻き込まれ、13年間行方不明だったら、どんな心境だろうか。

 岩手県大槌町にはそんな心境の人たちが何千人もいる。

 東日本大震災以来、411人の行方が今もわからない。

 佐々木彰さん(50)の両親もそうだ。毎年、この日は家族で墓参りに行く。

 佐々木さん宅の裏手に住んでいて、自分の孫たちをとても可愛がっていた。

 地震後、父は地区で避難誘導をしたが、自分の家までは来ないと思ったのだろう。

 風邪で寝ていた母を気遣って家に戻り、2人とも津波に流されたらしい。

 佐々木さんは避難所をまわり、やがて遺体安置所を捜したが、どこにもいなかった。

 遺骨のない墓に花を供え、地震が起きた午後2時46分、海に向かって祈った。

 「13年経っても気持ちは変…

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