ハイリスク恐れぬヴェルディ指揮官 人生の第4コーナーで下した決断

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潮智史
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 騒がしさの中で、62歳の闘将が長いシーズンを歩み始めた。

 城福浩監督が束ねる東京ヴェルディにとって、J1の舞台に上がるのは16シーズンぶりのことだ。

 前身の読売クラブ時代から日本サッカー界をリードしてきた。Jリーグ元年の初代王者の戦いぶりに注目が集まっている。

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 興味をかき立てられるのは、それだけではない。

 城福監督が東京ヴを率いるのは3季目。だが、他クラブも合わせれば、指揮を執った公式戦は470を超える。一方、選手の平均年齢は24・1歳(開幕時)。J1で最も若い。

 この組み合わせが何を起こし、どんなストーリーを紡ぐのか。

 かつて覇権を争った横浜F・マリノスとの開幕戦から浦和レッズ戦、9日のセレッソ大阪戦と同じような経過をたどった。

 1、2戦は立ち上がりから攻勢に出て、セットプレーから先取点を奪う。攻守に果敢なプレーを展開した。3戦目は0―1から1度は追いつき、退場者を出して競り負けた。

 3試合に共通するのは、互角に渡り合う時間を作りながら、後半終盤にPKを与えて失点していること。ゲームをどう終わらせるか、という課題が浮き彫りになっている。

 個人でゴールをこじ開けるような選手がいない分、チームとしてアグレッシブな戦い方を練り上げて、手を尽くして、2敗1分け。わずかなすきを突かれて、勝利を逃した。

 内容では勝っても、まだ足り…

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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2024年3月15日17時45分 投稿
    【視点】

    城福浩監督がFC東京を率いてナビスコカップのタイトルを獲った2009年、よく取材させていただきました。発する言葉に不思議な魅力が宿る人です。「言葉力」の持ち主、とでも表現したくなります。その人が、「ハイリスク、ハイリターン」を掲げている。実

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    潮智史
    (朝日新聞スポーツ部記者=サッカーなど)
    2024年3月16日8時59分 投稿
    【解説】

    16日のJ1新潟戦で、城福さんが指揮したJリーグ公式戦(リーグカップ戦、J2含め。天皇杯全日本選手権は別)は480試合になります。 ご本人が「指導者として第4コーナーに入ったところにいる」といっています。熱の籠もった語り口の一方で、大きな

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