いすみ鉄道の元エース車両「キハ28」 観光活用目的の修繕でCF

中野渉
[PR]

 【千葉】いすみ鉄道で2022年に定期運行を終えて動態保存中の車両「キハ28 2346」の修繕に向けて、鉄道関係者らによる任意団体「いすみ鉄道気動車保存会」がクラウドファンディング(CF)で費用を募っている。将来は観光用に活用する狙いだ。

 キハ28形は1961~69年に製造されたキハ58系で、全国で急行列車などに使われた昭和を代表する国鉄気動車。「キハ28 2346」は64年に製造され、北陸地方などを走り、2012年にいすみ鉄道に譲渡された。観光急行列車やレストラン列車として活躍した、いすみ鉄道の「エース」だった。

 22年11月、自動車の車検に相当する全般検査を控え、部品の確保も難しくなったため定期運行を引退した。現在は、いすみ鉄道の国吉駅(いすみ市)に置かれている。走行可能な状態で保存されているのは珍しいという。

 だが、車両全体にさびが広がり塗装の剝げも進んでいる。経営が苦しいいすみ鉄道に代わり、昨年、正式発足した「いすみ鉄道気動車保存会」が、車両の板金と塗装のためのCFに取り組んでいる。

 保存会代表の鈴木和之さん(50)は、「キハ58系の最後の営業運転車両で昭和の産業遺産としてとても貴重。もう一度輝きを取り戻したい」と話す。

 保存会はキハ28を修繕し、将来は車両に乗車体験でき、昭和風の国鉄プラットホームなどを設けた観光施設「鉄道パーク」の開設をめざしている。鈴木さんは御宿町の建設会社を営む傍ら、いすみ鉄道のイベント企画にも携わる。「鉄道利用の進めて観光需要を掘り起こし、地域活性化につなげたい」

 CFの詳細は、CFサイトのREADYFOR(レディーフォー、https://readyfor.jp/別ウインドウで開きます)から。29日午後11時まで受け付ける。目標は1千万円。中野渉

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません