ロスジェネ世代の単身・非正規雇用の女性たちは、持てる能力を十分に発揮できずに不安定な生活を強いられ、日本社会の「支え手不足」の要因の一つにもなっている。どう乗り越えればいいのか。大阪経済大の森詩恵教授(社会政策)に聞いた。
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いまロスジェネは40~50代で、そろそろ親の介護が必要になるときです。非正規雇用では介護で仕事を休むと、有給休暇を取りにくい状況があります。兄弟姉妹がいても、「子どももいないし、非正規なら仕事を辞めやすいだろう」などと思われ、非正規の単身女性に負担が集中しやすい。仕事を中断すれば、自分の年金に跳ね返ります。親をみとる責務を果たした満足感はあっても、その後の生活はさらに苦しくなる。これでは支え手不足に拍車がかかってしまいます。
既婚者であっても、パートの主婦が働く時間を一定以上増やすと、社会保険料の負担が新たに生じ、手取りが減る「年収の壁」があります。それを避けるために働く時間を減らすことが問題となっています。
「誰でもできる女性の仕事」…
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