政府は5日、マイナンバー法など五つの法律を一部改正する束ね法案を閣議決定した。今国会に提出する。スマートフォン（スマホ）に搭載できるマイナンバーカードの機能の拡充や、次期マイナンバーカードの券面記載事項から、「性別」を削除する仕様変更などを盛り込んだ。

　マイナカードの機能をスマホに搭載できるサービスは昨年始まった。オンラインで本人確認をする電子証明書の機能を利用できる。新制度では、これをマイナンバーとひもづいた形でやりとりできるようにする。証券口座の開設などがスマホだけで完結できるようになる。2025年夏ごろまでに適用が始まる見通しだ。また、いまのマイナカードの券面に書かれた生年月日などの情報も、店頭などでスマホから簡単に読み取れるようになる。

　26年中の導入をめざす新しいマイナカードについては、券面デザインで性別の記載を削除する。トランスジェンダーの人々などから「カミングアウトの強制につながる」とプライバシー面で懸念の声がでていた。氏名や生年月日、住所、顔写真は現行通り記載する。（渡辺淳基）