第3回戦時下の性暴力なくすには 敵か味方かの2択ではない発想に転換を

有料記事戦争とジェンダー

聞き手・大野さえ子
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 「戦時下に起きる性暴力は、『暴力的な力を行使できる男性が一人前』という価値観を持つ社会でこそ、成り立つ戦略なのです」。ジェンダー研究者で同志社大学大学院教授の秋林こずえさん(55)は、そう強調します。

 世界では戦闘が続き、女性も兵士となっています。暴力や抑圧に苦しむ人も絶えません。戦争が人々に及ぼす影響とは。戦争とジェンダーについて考える研究者や平和活動に尽力する識者らに聞きます。

――ロシアによるウクライナ侵攻から2年、性暴力の被害が報告されています。また、国連の専門家チームは、イスラム組織ハマスによる性暴力の可能性を報告しています。なぜ、このようなことが続くのでしょうか。

 国際社会では、戦時下の性暴…

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    天野千尋
    (映画監督・脚本家)
    2024年3月8日10時30分 投稿
    【視点】

    性教育やジェンダー問題と戦争は一見かけ離れているようで深く繋がっているという、最後まで読むと実に納得できるご指摘でした。 「男/女」「敵/味方」など暴力的な二分が、いかに人の尊敬を傷つけ、分断や対立を生んできたかに、今こそちゃんと目を向ける

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]