ピンチでも「I believe」 健大高崎の石垣元気、志願の続投

中小路徹
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 (31日、第96回選抜高校野球大会決勝 健大高崎3―2報徳学園)

 最近、好きになった言葉がある。「アイ・ビリーブ(I believe)」

 ピンチでも自分を信じる。マウンド度胸を高める座右の銘でもある。

 最大のピンチは、1点をリードした六回だった。自身の暴投もからみ、無死二、三塁。

 「自分がつくったピンチ。自分で抑えるしかない」と、三振をとりにいった。ギアを上げながらも、冷静だった。「全国で通用する」と自信を深めた直球とカットボールを軸に、後続を空振り三振、三ゴロ、見逃し三振に打ち取った。

 準々決勝までは、同じ2年生で入学直後からライバルとして意識してきた左腕佐藤龍月を救援した。その佐藤が左手の中指を痛め、勇躍、準決勝から先発のマウンドに。

 七回を抑え、青柳博文監督が予定していた100球を超えていたが、「もう1回行かせてください」と志願した。スタミナにも自信がある。何より、佐藤の指が、出血しやすい状態だった。

 試合後、九回を抑えた佐藤とクールダウンのキャッチボールをしながら同じ声を掛け合った。

 「ナイスピッチング!」

 夏に向け、切磋琢磨(せっさたくま)の日々がまた始まる。中小路徹

     ◇

 ○青柳博文監督(健) 「守り抜けたことが大きい。箱山がイニングごとにリードを変えた。石垣は球速を抑え、変化球を中心に投げた。箱山の指示通り」

 佐藤龍月(りゅうが)(健) 左手中指を痛めているエース左腕は九回に救援。無失点で試合を締めくくり「みんなが笑顔で走り寄ってきてくれた。うれしかった」。

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