学校への要望、手紙に書いた さいたまの児童らが市教育長宛てに

岩堀滋
[PR]

 子どもたちに「学校へ望むこと」を考えてもらい、学校を管理する教育委員会トップの教育長に思いを届ける手紙を書くワークショップが23日、さいたま市見沼区であった。自身の権利や主権者意識について関心を持たせるのが狙いで、昨年の埼玉県議選で「模擬投票体験」に取り組んだ市民団体が催した。子どもたちからはユニークな意見が次々と飛び出した。

 主催したのは、同市や上尾市の住民らでつくる「さいたまこども選挙実行委員会」。この日は、さいたま市の小学2年生~6年生の男女計10人が参加した。

 子どもたちはレクリエーションで交流を深めた後、実行委のメンバーから絵本の読み聞かせを通じて、「自分らしく過ごすことの大切さや、大人が勝手に子どものことを決めないこと」といった子どもの権利について学んだ。

 その後、二つの班に分かれ、「学校の好きなところ、嫌なところ、困っていること」などを付箋(ふせん)に列挙。市教委の竹居秀子教育長宛てに手紙を書いた。

 子どもたちから出た意見には「新しい友だちに出会える」といった学校の好きな点も含まれていたが、多くは不満や要望だった。

 ある女子児童からは「ランドセルが重い。大きなものを持つ時はバッグに」との声や、市教委が貸与するタブレット端末の操作が負担なためか「使う授業を減らして」との意見が出た。

 また、別の女子児童は「子どもの意見を聴いて物事を決めてほしい。願いが早くかなえられたら」と話した。男子児童からは「ビーチサンダルで学校に行きたい」「夏休みの宿題を減らしてほしい」「休み時間を長くしてほしい」などの意見も出た。

 女子児童からは、「(先生が)怒鳴るのをやめてほしい」「担任を選びたい」「授業参観の時に急に優しくなる先生がいる」など耳の痛い指摘もあった。

 子どもと参加した皿井寛子さん(43)は「大人では浮かばない発想や意見が聞けていい機会になった。子どもの新しい一面も見られてよかった」と話した。

 実行委の北浦宏幸さん(42)は「子どもたちから意見がすらすらと出てきて驚いたが、普段は意見を言えていないのではないかとも感じた。市もこうした子どもの意見を大事にしてほしい」と語った。

 実行委は今後も、子どもが自身の権利について考える取り組みを続ける考え。2025年春に実施される見通しの同市長選でも、候補者に質問を送り、得られた回答をもとに、選挙権がない子どもたちに模擬投票体験をしてもらう予定だ。岩堀滋

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら