都をどり、150回の節目 大河の源氏物語も題材に
京都五花街で最大の祇園甲部(京都市東山区)で、毎年春に公演がある「都をどり」の演題や演目が発表され、衣装のお披露目があった。明治5(1872)年に始まり、150回の節目となる今年は、これまでの歴史を振り返り、今後をことほぐ構成だ。NHKの大河ドラマで話題の源氏物語も採り入れた。
「気が付けば150回だった。粛々と自分たちのするべきことをして、お客様にごひいきにしていただいていた結果で、それが本来の姿だと思います」。16日の記者会見で、都をどりを主催する八坂女紅場学園の杉浦京子理事長はこう話した。同学園は祇園甲部の芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)が伎芸(ぎげい)を学ぶ学校でもある。
構成を担当するのが、国文学者で同志社大学学長の植木朝子(ともこ)さん。「都をどり百五十回源氏物語舞扇(まいおうぎ)」と題し、演目には伝統の継承を盛り込んだ。全8景で、その年の恵方(今年は東北東)を取り上げる第2景では滋賀県多賀町の多賀大社を梅の場の背景に。源氏物語を取り上げた第5景「須磨明石」では、1955年上演の歌詞と曲を用いた。
19日には新調した衣装を披露した。芸舞妓が総をどりでまとう着物は、浅葱色(あさぎいろ、薄い藍色)で牛車が模様に。振り付けをする京舞井上流五世家元の井上八千代さんは「150回のめでたさをいかしたい。『相変わりませず』という京都の言葉のように、変わらない良さも味わっていただけたら」と話した。
「都をどり」は、祇園甲部歌舞練場で4月1日から30日まで。1日3公演で、舞妓18人、芸妓46人、地方15人など約90人が交代で出演する。一等観覧券6千円(茶券付き7千円)。問い合わせは祇園甲部歌舞会(075・541・3391)。(西田健作)
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- 【視点】
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