京都の村上隆展、ふるさと納税で3億円集める 特徴的な返礼品とは

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西田健作
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 京都市京セラ美術館(京都市左京区)で今月始まった「村上隆 もののけ 京都」展(朝日新聞社など主催)をめぐり、京都市が募集したふるさと納税に巨額の寄付が集まっている。個人を対象にしたプランでは、開幕までに3億円が寄せられ、企業対象でも億単位の寄付があった。寄付を元手に、同美術館は京都市に在住・通学している高校生、大学生、専門学校生を入場無料にした。なぜ、これほどの寄付が集まったのか。

「この制度を使うのが有効」

 「ふるさと納税は一般の人にも広く門戸が開かれているすばらしい制度。日本全国で文化事業をやっているみなさんも知恵をしぼってこの制度を使うと有効だと思います」。開幕前日の2日にあったプレス内覧会で、現代美術家の村上隆さん(62)は、そう話した。

 国内では8年ぶりとなる大規模展。約170点の大部分が新作で、制作には多額の費用が必要だ。村上さんは、自身のユーチューブ公式チャンネルで、日本の展覧会予算が縮小するなか、ふるさと納税を使えば展覧会にかかる費用が調達できるようになるのではないかと考えた、と説明している。

「村上隆 もののけ 京都」展

巨大な洛中洛外図や、ゆるく可愛らしい「風神図」「雷神図」など、京都をテーマにした作品が並ぶ。京都市京セラ美術館新館東山キューブで9月1日まで。月曜休館(祝休日の場合は開館)。一般2200円。

 村上さんと京都市がコラボして実現した今回のふるさと納税プランで特徴的なのは、村上さんがデザインした限定のトレーディングカード(トレカ)を返礼品に加えたことだ。「COLLECTIBLE TRADING CARD(コレクティブル・トレーディング・カード)」という名前で、全12種類。種類によっては、希少な特殊印刷加工版もある。

 寄付額1万円から10億円までの11プランを設け、1万円では入場券1枚とカード3枚、10万円では入場券10枚とカード24枚を主な返礼品としている。

「気がついたら、大変な成果」

 昨年12月7日に受け付けを…

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