第2子以降の保育料無償に 福山市が新年度予算案「支援しっかりと」

西本秀
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 広島県福山市は9日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は1902億円(前年度当初比3・3%増)で、過去最大だった22年度に次ぐ規模となる。第2子以降の保育料を全面的に無償にするなど少子化対策を強化するほか、25年5月に開く「世界バラ会議福山大会」に向けて準備作業を加速させる。

 第2子以降の保育料はこれまで、3歳児以上や住民税非課税世帯などの条件を設けて免除していたが、制限を撤廃する。今年9月から全員が無償となる。年間に換算すると、市の減収など影響額は約6億円の見込み。認可外保育施設の利用者には一定額を助成する。

 このほか、地元の子育て世帯や学生、企業の従業員ら100人に参加を募り、少子化対策などを話し合う「子ども未来づくり100人委員会」の設置▽不妊治療への助成拡充▽困窮世帯の子どもに受験料・模試費用の支援▽結婚を希望する人への出会いの機会の創出――など、子育てや若者を支援する重点政策に計54億円を計上した。

 枝広直幹市長は9日の記者会見で、「未来を担う子どもたち、子どもを育てる世帯への支援をしっかりとしたい」と語った。

 当初予算案の歳入のうち市税は739億円で、国の定額減税などが影響して前年度当初比2・9%減となる。借金にあたる市債は126億円(同13・6%減)を発行。市債残高は1593億円となり、市民1人当たり34・8万円になる。

 貯金にあたる財政調整基金から10億円を取り崩し、24年度末の基金残高は113億円の見込みという。

 予算案は、16日開会の市議会に提案される。西本秀

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福山市の主な事業

◆福山駅前広場の再編に向けて実証実験や基本計画の策定など(6700万円)

◆福山地方卸売市場の建て替えを支援(5400万円)

◆福山市立大学に新設する情報工学系学部の基本計画作成など(640万円)

◆急病のとき電話で24時間相談できる救急相談センターの導入(2600万円)

◆高齢者の補聴器購入費用を助成(850万円)

◆ふくやま芸術文化ホールで広島交響楽団と京都市交響楽団の定期演奏を開催(7700万円)

◆完成する新ごみ処理施設「ふくやま環境美化センター」の管理運営(13億円)

◆広島県東部と岡山県西部の8市町でつくる「備後圏域」に竹原市が加盟するなど連携推進(1600万円)

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