【そもそも解説】再エネ制御、急増の背景と減らすためにできること

有料記事そもそも解説

石井徹 安田朋起

 太陽光と風力による発電を一時的に止める「出力制御」が急増しています。朝日新聞の集計で、2023年に制御された電力量は全国で計約19・2億キロワット時に達しました。過去最多だった21年の3倍超です。何が起きているのでしょうか。

 Q 再生可能エネルギーの発電が止められているの?

 A 「出力制御」とよばれるものだ。電気は水やガスと違ってためるのが難しい。そのため、使う量と発電する量を常にほぼ同じにしないといけない。

 余った電気が送電線にたくさん流れると、発電所が故障を防ぐために止まり、大停電になるおそれがある。大手電力の送配電会社が地域ごとに必要な量と発電量のバランスを調節していて、電気が余りそうなときに、太陽光などの再エネを止めている。

 Q なぜ最近増えているの?

 A 太陽光や風力など時間や天候によって発電量が変わる変動電源が増えたからだ。特にここ10年で太陽光発電が飛躍的に増え、昼に電気が余るようになった。

 たとえば九州は、太陽光の導入量が原発10基分(約1200万キロワット)にのぼるが、昼の需要は1千万キロワットを切る日も多い。2023年は年144回も出力制御を実施した。電気代が高くなったことで節電が進み、全国的に需要が減っている影響もある。

 Q 出力制御は送配電会社が…

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