(いいね!探訪記)さびれてるけど、さびしくない 椿井市場 奈良市

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 奈良観光の玄関口は、近鉄奈良駅とJR奈良駅だ。両駅は少し離れているが、どちらも奈良公園かいわいに向かって商店街が延び、観光客や修学旅行生で終日にぎわう。そんなメインストリートからちょっと脇に入ったところに、100年以上前に開設された「椿井(つばい)市場」は口を広げている。

 市場名を掲げた入り口にアーケード。商店街の体をなしているが、薄暗く、人がすれ違うのにやっとの狭い幅。ためらいがちに様子をうかがう人もちらほらいる中、思い切って入ってみよう。

さびれたレトロな雰囲気の残る椿井市場

 思い切って入り口の看板を写真に入れることにした。日が暮れる頃、街灯がともり、看板をうっすらと照らし出した。ちょうちんもアクセントになった。ただ、入り口の前の通りは狭く、後ろに下がれない。道路幅ギリギリまで下がってカメラを自分の横に置き、背面モニターを見ながら最良のアングルを探して撮影した。(白井伸洋)

 東西におよそ50メートルの市場の中ほどで、51年前から中華料理店「大廣(たいこう)」で鍋を振り続けているのは店主の村上義廣(よしひろ)さん(78)。店をかまえた当時はさぞにぎわっていたんでしょう? 「いや、その時からさびれとったよ。家賃が安かったからここにしたんや」と笑う。

 奈良市奈良県の古い資料に…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年2月3日15時6分 投稿
    【視点】

    「TABI Coffee Roaster」にはじっくり味わいたいコーヒーが、そのコーヒーに合う焼き菓子もある。客同士の肩がぶつかりそうな市場らしい市場に新らしい風が吹いた感じのお店だ。

    …続きを読む