「しゃべってなんぼ」 インド名門大学の日本人教員が感じた学生の力

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 インドで最難関と言われるインド工科大学(IIT)デリー校で教壇に立つ日本人の教員がいます。東善郎教授(物理学)と池田恵理助教授(開発経済学)。学生たちから感じたインド人材の力の源泉について聞きました。

 ――インドでトップと呼ばれるIITの学生たちの特徴は?

 池田氏 熱心に勉強しています。日本と違って、学生がアルバイトをするという文化がないですし、履修科目によっても異なりますが、授業や実験が午前8時から午後9時過ぎまであり、科目数も多い。居眠りする学生もほぼいません。

 長期休暇も、就職を見据えて履歴書に書ける内容を濃くするため、勉強や短期プロジェクトに充てたり、インターンをしたりしています。合間にクリケットに興じたり、文化活動に取り組んだり、忙しいです。常に限られた時間とプレッシャーの中で戦っているように見えます。

 東氏 マルチタスク(複数の作業を同時並行で行う)の能力に優れていると感じます。良い成績をとるための努力の配分にもたけており、簡単な科目はある意味で適当にやり、難しい科目を一生懸命やる。

【連載】インド新時代

インド工科大学の学生たちが、良い成績や出世を望むのはなぜなのか? 時にもどかしさも感じるという日本人教員の考えを記事の後半で紹介します。

 ――学生の進路は?

お金もうけは良いこと 日本とインドの違い

 東氏 世界のトップ校とは違…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年2月11日21時10分 投稿
    【視点】

    知っているようで知らないインドを取り扱うこの特集はなかなか興味深い。インドの学生が優秀だということはよく知られているけれども、なぜどうしてそうなるのか、ということになると、日本の感覚では理解できないところがある。現地で教えていらっしゃる方々

    …続きを読む