アルピコ交通がドローン教習所 長野県で唯一屋内施設備え松本駅前に

佐藤仁彦
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 アルピコ交通(長野県松本市)が、ドローン操縦者の国家資格を取得できる屋内教習施設を松本駅前のアルピコプラザ(松本バスターミナルビル)に開設した。国土交通省の登録講習機関で、屋内教習所を備えるのは県内で唯一だという。

 鉄道事業やバス事業を手がける同社は昨年9月、社内にドローン事業課を新設。自社ビルで過去にゲームセンターとして使われていたアルピコプラザの6階フロアを改装し、パイロット養成機関「アルピコドローンアカデミー」を開校させた。

 アカデミーでは、初心者コースと国家資格の「二等無人航空機操縦士」取得コースの講習を提供する。資格取得などに必要な屋外教習には、市内のグラウンドなどを借りるという。2月10日には、茅野市のゴルフ場を会場に、ドローン空撮と動画編集を学べるイベントを開く予定。また、インストラクターがそろい次第、春にも「一等」の資格が取得できる講習も始める。

 ドローン操縦の国家資格制度は2022年12月に始まった。登録講習機関で講習を受けて審査に合格すれば、国家試験の実地試験を受けずに学科試験のみで資格が取得できる。

 今後はKDDIの子会社「KDDIスマートドローン」とも連携。この施設を「KDDIスマートドローンアカデミー長野松本校」としても運用し、撮影や外壁点検に特化した専門コースの提供も計画している。

 24日の開校式に出席したアルピコ交通の小林史成社長は、「いま能登半島の災害現場でドローンが活躍している。今後は測量や建設工事、流通の分野でもドローンが力を発揮することが増えていくだろう。パイロット教育の受け皿がまだまだ少ないと考えており、まずは人材育成の面で地域に貢献したい」と話した。

 将来的には、観光PR動画を空撮する業務の受注などを視野に、ドローン事業の拡大をめざすという。

 23日現在、県内にある国交省の登録講習機関は11カ所。長野市上田市、駒ケ根市などにある。佐藤仁彦

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