高校サッカーは年末年始の全国選手権が終わり、すべてのサッカー部で1、2年生による新チームの活動が始まっている。
「新チームになって、過去と同じチームをつくろうとめざしてもうまくいかない。新しいことに挑戦するのが楽しくて、それはチームづくりも一緒」
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こう話したのは近江(滋賀)の前田高孝(たかのり)監督(38)だ。1月8日の決勝で青森山田に敗れたものの、準優勝を遂げた。この言葉は決勝を翌日に控えた7日に語ったものだ。
攻守とも果敢に仕掛けるサッカーで勝ち進んだ。何より、プレーそのものを楽しむチームだった。
近江の勝ち上がりを見て考えたのは、指導者の生き様と力量の相関関係だ。
前田監督の人生は波瀾(はらん)万丈と表現していいだろう。
滋賀県に生まれ、草津東高でFWとして活躍。国体選抜でのプレーがスカウトの目にとまって2004年に当時J1の清水エスパルス入り。出場機会のないまま2年間でJリーガーの経歴を終えた。
その後はシンガポールやドイツ、ルーマニアなどを転々とした。けがをきっかけに22歳で引退を決断した。
帰国すると、「人生をやり直そう」と関西学院大に進んだが、そこからも変化に富んでいた。
バックパッカーで東南アジアを回り、現地の孤児院で子どもたちと裸足でボールを蹴った。「選手時代は入団テストを受けるにも誰かに紹介してもらってのことで、人間関係のしがらみがあった。でも、あのときは自由になれたと感じた」と振り返る。
ほかにも、神戸の街クラブで指導したり、ホームレスによる国際サッカー大会でコーチを務めてみたり。本格的に指導者としてのキャリアをスタートさせたのは、関西学院大で在学中にヘッドコーチを任されてからだ。
3年間ほど指導し、14年に全日本大学選手権で準優勝。それでも、また別の思いが募ったという。
「そもそも関学には選手が集…
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- 【視点】
どんな仕事にも、節目というものがあるのだと思います。だいたいの仕事は、その節目で「話す」ことの重みが増すのだと思います。上司に談判する、部下に訓示する、プレゼンで説明する。そういうトークの中身、事前に準備して臨む方、多いのではないでしょうか
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