AIは家庭教師の代わりになるか 米国では試験導入する州も NYT

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ナターシャ・シンガー/The New York Times 翻訳=藤崎麻里/朝日新聞
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Will Chatbots Teach Your Children?

 カーン・アカデミーの最高経営責任者、サル・カーン氏は昨春のTEDトークで熱弁をふるい、AIチャットボットが間もなく教育に革命を起こすだろうと予言した。

 「私たちは今、教育分野で最も有益な変革をもたらすAI(人工知能)の利用で最先端にいる」。何百万人もの学生にオンラインレッスンを提供している非営利の教育グループを率いる、カーン氏はこう宣言した。「私たちがそれを実現する方法は、地球上のすべての生徒に素晴らしい個人指導の家庭教師を与えるのではなく、人工知能によってなのです」

 カーン氏の家庭教師ボットのトーク動画は数百万回再生された。それから間もなく、グーグルのスンダー・ピチャイCEOを含む著名なIT企業の経営陣たちも、同様の教育に関する予測をとりあげ始めた。

 「いずれ私たちは住んでいる場所、出自に関係なく、世界中のすべての子ども、すべての人が最強のAI家庭教師にアクセスできるようになると思う」。ピチャイ氏はカーン氏の講演の数週間後、ハーバード・ビジネス・レビューのポッドキャストでこう語った(グーグルは昨年、バードという人工知能チャットボットを発表。また、カーン・アカデミーに1千万ドル以上を寄付している)。

 家庭教師ボットというカーン氏の構想は、数十年来のシリコンバレーの夢、すなわち生徒一人ひとりに合わせた授業をすぐにカスタマイズできる自動教育プラットフォームに近づくものになる。こうした動きを支持する人たちは、このようなシステムを開発することで、人間の教師よりも、速く効率的に子どもたちに適切で個別化された指導を提供し、学校の学力格差を縮めることができると主張する。

AIチャットボットはただ回答を示すだけでなく、子どもたちをやる気にさせることができるようになると期待されています。記事の後半では、教育分野へのAI導入で実現したサービスや懸念点なども紹介しています。

 このような理想を追い求め…

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