植田氏の心中「してやったり」? 異次元緩和の台本は「4月終了」か

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編集委員・原真人
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 どうやら日本銀行は、11年続けてきた「異次元緩和」の終了のタイミングとして「4月」に照準を合わせているようだ。

 今春闘では物価高と企業業績の堅調さを背景に、2年連続で3%を超える高い賃上げ率が実現するのが確実な情勢である。その結果を受け、満を持して11年続く異次元緩和を終わらせる――。

 そんなシナリオが、植田和男総裁や日銀幹部たちの発言内容から浮かび上がってくる。

 日銀は23日昼、前日から開いていた金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)で現行の異次元緩和の維持方針を決めた。金融市場の一部では、早ければこの1月会合で「マイナス金利解除もありうる」との見方もあったが日銀は結局動かなかった。

 日銀ウォッチャーたちのなかには「今月1日に発生した能登半島地震の影響を考慮して解除を見送った」という「方針変更」説もある。

 ただ、植田総裁らのこれまでの発言を聞くかぎり、動かなかったのは方針を変えたからではなさそうだ。おそらく「4月」ターゲットが当初からのシナリオであり、日銀は着々とそれに向かって環境づくりを進めているように見える。

 実は昨年9月、12月、今回…

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