後藤田正晴氏をソファに寝転がせた写真家 昨秋急逝し、徳島で追悼展

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武田肇
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 ソファに寝っ転がり、両足を開く大物政治家。

 好々爺(こうこうや)の表情でたばこに火をつける従業員2万人以上を率いる実業家。

 そんな徳島出身の著名人らの「素顔」を紹介する異色の写真展が、徳島市銀座のアートギャラリーグレイスで開かれている。

 タイトルは「阿波の面魂(つらだましい)」。

 大物政治家は、副総理や官房長官を歴任した後藤田正晴さん。実業家は、従業員17人の町工場を、「オロナミンC」や「ボンカレー」などのヒット商品で世界的な企業グループにまで育て上げた大塚正士(まさひと)さんだ。

 プロ野球監督の上田利治さんや、青色発光ダイオード開発に成功した日亜化学工業を創業した小川信雄さん、阿波踊り名人といわれた四宮生重郎さんらの「顔」もある。

 展示されている写真は19人の約100点で、その多くは故人だ。

 「ポーズを注文して狙って撮影しているはずなのに、どの写真もその人らしくて自然。被写体がふっと気を許した瞬間に心のうちに入り、どんな肩書の人でもやわらかく撮る名手だったことがわかる」

 地元のラジオパーソナリティー、梅津龍太郎さん(83)はこう評する。

 いずれも撮影したのは昨年9月30日に73歳で急逝した西田茂雄さん。

 写真展は、生涯どの会社組織にも属さず、フリーランスのカメラマンとして徳島で活動を続けた西田さんを追悼するため、友人と遺族が開いた。

昨秋に急逝した徳島の写真家、西田茂雄さんは、どんな被写体もつい気を許してしまう「人たらし」と言われました。活躍の陰には、ある著名な作家の存在がありました。

 西田さんは国指定重要有形民…

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