女流棋士は医師を目指す大学生 医学も将棋も「学びに終わりがない」

有料記事

斉藤佑介
[PR]

 名古屋市立大医学部2年の森本理子さん(20)は、幼い頃から将来の夢がふたつあった。父の影響で始めた将棋での「女流棋士」。入院をきっかけに憧れた「医師」。昨年、プロの女流棋士となった。いま、もうひとつの夢の実現に向け、歩みを進める。

 昨年7月23日、名古屋市の東海研修会。森本さんはB2クラスへの昇級を決め、「女流2級」というプロへの道が開けた。「負けました」。投了を告げる対局相手の声を聞き、涙があふれた。

 愛知県春日井市出身。小学2年の頃、将棋好きの父の影響で将棋を始めた。1学年上の藤井聡太八冠(21)が初めて通った将棋教室として知られる「ふみもと子供将棋教室」(同県瀬戸市)で将棋を学んだ。

 心構えや礼儀のほか、勝つ喜び、負ける悔しさを知った。地元の大会で優勝し、全国で実績を重ねた。いつしか女流棋士を夢見るようになった。

 東海研修会の研修生となり、中学3年でC1クラスに。次に昇級すれば、夢への道が開けるところまで進んだ。高校生で女流棋士に――。そんな姿を描いたが、高校では結果が出なかった。

 高2の夏。もうひとつの夢との間で選択を迫られた。小学4年のころ、首の検査で入院した際、不安な心に寄り添ってくれる医師と出会った。「医師になりたい」。そんな夢も胸に秘めていた。

 医師か女流棋士かの択一なのか。「両方とも人生の目標だったから悩みました。でも、受験と将棋の中途半端が一番良くない」

 決めた。将棋をいったん休むことにした。

一度だけ藤井八冠と対局 結果は…

 高校卒業までの1年半余り…

この記事は有料記事です。残り863文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら