勝浦市のふるさと納税、寄付額最多ペース 「値上げ」前駆け込み需要

中野渉
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 千葉県勝浦市ふるさと納税による寄付額が10月末時点で約41億4千万円となり、昨年度同期の2・2倍だった。県内の自治体の年間トップで過去最多だった昨年度の約55億3400万円を上回るペースで集まっている。市は国のルールが10月に変更され、寄付額が実質的に「値上げ」されるのを前に、駆け込み需要があったとみている。

 市によると、昨年度の10月末の寄付額は約18億5300万円だった。申込件数は今年度が10月末で約33万件あり、昨年度の同期間の約15万7千件と比べると、2・1倍になった。

 ふるさと納税の激しい返礼品競争を防ぐために、国の新ルールが10月から適用され、各自治体が寄付を募るのに使う経費を寄付額の5割以下とする基準を厳格化した。これに伴い、寄付額に対する返礼品を減らす自治体が相次いでいる。

 勝浦市のふるさと納税は9月、急激に需要が高まったが、10月単月では前年の2割程度に落ち込んだ。寄付額は昨年10月の約4億円に対し、今年度は約8200万円にとどまった。

 1万円台の海産物を選ぶ傾向は以前から続いている。9月までの一番人気は「【訳あり】B級銀鮭(ぎんざけ)切り身約2・8キロ」で、全体の約半数を占める申し込みがあった。ただ、10月からは勝浦市の品ぞろえから消えている。新ルールの影響で、銀鮭を提供してきた水産加工業者が加工場をコスト減となるいすみ市の工場に切り替えたためという。

 照川由美子市長は11月30日の定例会見で、ルール改正の影響を受ける今年度後半について「期待したいが、推測するのは難しい」と話した。中野渉

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