大ケガからの世界王座返り咲きへ 矢吹正道、5カ月ぶり実戦練習再開

伊藤雅哉
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 世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級前王者の矢吹正道(31)=名古屋・緑ジム=が13日、約5カ月ぶりにスパーリング(実戦練習)を再開した。

 5月18日の練習中に左足のアキレス腱(けん)を断裂し、手術を受けた。大ケガからの世界王座返り咲きへ。リハビリ段階を終え、実戦モードに踏み込んだ。

 矢吹はこの日、所属ジムで専属トレーナーの滝沢卓氏(36)との10ラウンドのミット打ちをこなした後、「久々にやるか」とヘッドギアをかぶった。

 相手は3勝(2KO)5敗2分けの戦績を持つ左構えのビバリー塚田(34)。4ラウンド、拳を交えた。

 まだ踏み込みはセーブしており、リングを素早く旋回するような動きは控えたが、相手の左を外しての右のカウンターや、荒っぽい連打など、随所に矢吹本来の動きを見せた。

 最初はわざとロープを背負い、ディフェンスの確認をするなどしたが、最終ラウンドは左右のフックを振り回しながら前進。スパーリングを終えると、思わず笑みがこぼれた。

 「順調ですね、めちゃくちゃ。日に日に、どんどんペースを上げているんで」

 「ミットで追い込んだ後でも、意外にスタミナは大丈夫でしたね。けがをして、最初はあまり動けない中でも、やれることをやってきて良かったなと」

 当面は無理せず、週1回ほどのペースでスパーリングを行っていくという。

 トレーナーの滝沢氏も「5カ月でここまで戻るのはかなり早いのでは。リハビリ中も体を動かし、ジムワークを休まなかった成果だと思う」と話した。

 現在、国際ボクシング連盟(IBF)同級2位をはじめ、3団体で世界上位ランクに入る。矢吹は来年早々にも世界のトップ戦線に復帰したいと考えている。

 「チャンスがあれば、すぐにでも。そのために、今からやっているわけなんで」

 復帰戦は来年2月を予定している。伊藤雅哉

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