科学を探究する人々のファンが増えれば 官僚の本音に記者は考えた

有料記事序破急

論説委員・黒沢大陸=科学社説担当
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 「すごいネガティブキャンペーンをされている気がしますよ」

 科学技術行政に携わる官僚から、こんなことを言われた。若手研究者の不遇についての報道のことだ。博士号を取得して、優れた研究成果をあげていても、安定した職を得られず、生活にも苦労する若者たちがいる。新聞は、当事者に取材して実態を報じる。悲惨な例を見聞きすれば、研究者を目指すのをためらい、親が止めるかも知れない。

 だが、その報道をやめれば解決する問題でもない。

 「そういう状況を生んだ政策…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2023年10月15日22時22分 投稿
    【視点】

    この論説記事で印象的なところが2カ所あった。ひとつは冒頭の、官僚による「ネガティブキャンペーン」発言。黒沢氏が反論したとおりで、実態としてそうなっている状況を報道するのがネガティブキャンペーンだというのは、無責任ではないか。文科省など官僚の

    …続きを読む