熱海市の土石流警戒区域、9月解除へ 年度内帰還の意向は39人だけ

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村野英一 青山祥子
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 静岡県熱海市の斉藤栄市長は24日、伊豆山の土石流災害に伴う警戒区域を9月1日午前9時に解除すると正式に発表した。災害対策基本法に基づく立ち入り禁止が撤廃され、避難していた住民の一部の帰還が可能になる。市は、19世帯39人が来年3月までに区域内の家に戻る意向を示したと明らかにした。

 警戒区域は土石流が流れ下った全長約1・3キロの逢初川沿いに安全確保のため設置された。土砂崩落の起点付近に不安定な土砂が残っていたが、起点から約800メートルに砂防堰堤(えんてい)が今春新設され、県による土砂の撤去も今月26日に完了することから解除が決定した。

 斉藤市長は記者会見で、「解除は今後の復興に向けた大きな一里塚。復旧が本格化する節目になる」と述べた。

 市は警戒区域内で電気、水道、ガスの復旧を進めている。居住可能な住宅46棟のうち32棟で電気、水道、ガスが9月1日までに供給できるようになる。残る14棟も年末までにすべて復旧させる予定だ。

 土石流は2021年7月3日に発生した。翌8月初めに市内のホテルなどへ避難していた人は約300人いた。帰郷を断念して新居に引っ越す人もいて、公営住宅などで避難生活中の住民は今月18日時点で112世帯の200人になっている。

 市によると、今年度中に警戒区域内へ帰還する意向の人の引っ越し時期は、9月が7世帯13人、10~12月が6世帯16人、来年1~3月が6世帯10人。合計の39人は被災直後の避難者数の13%にとどまる。

住宅再建のめど立たず、進まない帰還

 警戒区域への帰還が進まない…

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