「異様なスピード感」中間貯蔵、提案16日で回答 急ぐ上関町に反発

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小川裕介 松田史朗 吉田貴司
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 山口県上関(かみのせき)町が、原発の使用済み核燃料を保管する「中間貯蔵施設」建設に向けた調査の受け入れを表明した。中国電力の提案から16日後の決定に、住民から反発の声があがった。中国電は来春までに調査を終える日程を描くが、地元住民への説明や県知事の同意など、多くの課題を抱えている。

 「中間貯蔵施設の調査を私としては受け入れる考えだ」。町議会で調査の是非を協議するために開かれた臨時会の冒頭、西哲夫町長は議員の意見を聞く前に自身の方針を打ち出した。

 その後の臨時会では、10人中7人から「実現すれば、町の経済効果が見こまれる」「恒久的な財源の確保につながる」などと、町長の方針を後押しする声があがった。

 最後、町長は淡々と受け入れを正式に宣言。議会の議決は無かった。

 今月2日に申し入れを受けてから、町から住民への説明会などは開かれていない。こうした経緯について、西町長は臨時会後、記者団に「この案件は議決を要しないもの。乱暴に言えば、中国電力からの申し入れが来て翌日に町長が『良いですよ』と認めれば、それで済む」と語った。

大方の住民が建設反対なら「民意尊重する」

 西町長はまた「調査と建設は別もの」と繰り返し、「大方の住民が建設に反対するなら民意を尊重する」とも述べた。

 東京電力福島第一原発事故の…

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