軍艦島をXRで再現 国際プロジェクト進む 22日にはシンポ

有近隆史
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 世界文化遺産の長崎・端島(軍艦島)の暮らしをクロスリアリティー(XR)で再現する国際プロジェクトが進んでいる。将来的には、歴史教育や遺産保護への活用をめざす。22日には現状の進捗(しんちょく)を紹介する公開シンポジウムが長崎市内で開かれる。

 XRは、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)といった、現実の世界と仮想空間を融合して、新しい体験を作り出す技術の総称。ゲームなどエンターテインメント分野が中心だったが、技術の進展とともに他の分野でも実用化が進んでいる。

 「The Hashima XR Project」は、東京大や英・ケンブリッジ大、セントラル・ランカシャー大の研究者のほか、VRのデザイナーや建築家などが参加。炭鉱で生活する住民の日常生活を仮想体験できるように3次元画像などをもとに1970年代の端島を再現。歴史的検証とともに将来に伝承しようとする取り組みだ。

 長崎市の中村享一(きょういち)さんは軍艦島の高層建築の誕生について研究。「海の上の建築革命」(忘羊社)の著書があり、建築家としての立場からこのプロジェクトに参画している。中村さんは「軍艦島は日本の近代化を理解する上で重要。立ち入りが制限される中、XRを使えば世界遺産に触れることができる」と話す。いずれは教育にも活用していきたいとしている。

 シンポジウムは22日午後3時から出島メッセ長崎(長崎市尾上町)で。中村さんのほか、プロジェクトに参加する研究者らが登壇する。入場無料。ウェブサイト(https://forms.gle/decZcnBKzNqcNBCHA別ウインドウで開きます)で受け付けている。有近隆史

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