早生まれをプラスに変えた遠藤航 代表主将を育てたサッカー界の事情

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聞き手・伊木緑
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 サッカー男子日本代表の新主将に就いた遠藤航選手(シュツットガルト)は2月9日生まれの早生まれ。「体が小さく、スピードもなかった」という無名の中学生だった遠藤選手を発掘したのは、J1湘南ベルマーレの育成部門でした。当時、強化部長だった大倉智さんは、現在社長を務めるJ2いわきFCのアカデミーでもこの成功経験を生かしているといいます。大倉さんに話を聞きました。

 ――遠藤選手の獲得は、偶然の出会いだったそうですね。

 湘南のユースの監督だった曺貴裁(チョウキジェ)さん(現・J1京都サンガ監督)がゴールキーパー目当てに見に行った中学生の試合で、たまたま目に留まったセンターバックが中学3年の遠藤でした。当時は体が小さく、足も遅かったのですが、目線が高くて遠いところをしっかり見ることができる選手でした。身体はきっと後からついてくるから、とスカウトを決めました。

 それまでのキャリアを聞いたら、中学校に上がる時にJリーグのクラブのジュニアユースのセレクションにことごとく落ちていました。彼は早生まれ。ハンディは大きかったと思います。

 当時は、相対年齢効果(同じ…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2023年7月18日13時7分 投稿
    【提案】

    大倉さんの言葉には、生まれ月によるものを含め、成長差を見越した育成のヒントがたくさん詰まっていると思います。  いわきFCのアカデミーでは、ジュニアユースからユースに上がる時にセレクションをせず、原則的に全員を自動的に上げている、とのこと

    …続きを読む