維新前代表の松井一郎氏が大阪市長を退任 「政治の源泉は怒り」

維新

寺沢知海
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 大阪市松井一郎市長(日本維新の会顧問)が6日、任期満了で市長を退任した。同日で維新の党籍を抜き、統一地方選前半戦の最終日の8日にも維新顧問の役職も退く。松井氏は市役所で記者団に対し、「すがすがしい気持ち。もうやるだけやったから、何の後悔もない」と語った。

 松井氏は2020年11月に実施された2度目となる大阪都構想住民投票の否決を受け、市長任期満了で政界を引退すると表明していた。この日午後に市役所の玄関ホールで行われた退任のセレモニーには、市職員や市民らが集まり、松井氏を拍手で見送った。

 松井氏は03年の大阪府議選で初当選。10年に当時の橋下徹大阪府知事を代表に据え、地域政党大阪維新の会を設立した。その翌年には、橋下氏の大阪市長へのくら替えに伴い、知事に就任。19年には知事・市長を入れ替えて立候補する異例のダブル選を仕掛け、市長に転身した。

 この間、日本維新の会の代表や幹事長を歴任。第2次安倍政権下では、当時の安倍晋三首相菅義偉官房長官と蜜月関係を築き、25年開催の万博の誘致やカジノを含む統合型リゾート(IR)実現に向けた協力を引き出してきた。

 松井氏はこの日、記者団に、政界を去った後について「党運営には関わらない」とし、「僕の政治の源泉は怒りだが、今は怒りがない。無党派として、国民として、政治に関わっていく」と語った。(寺沢知海)

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