山口県警岩国署は30日、米軍岩国基地（同県岩国市）所属の男性海兵隊員（20）を窃盗、建造物侵入、自動車運転死傷処罰法違反（過失運転致傷）、道路交通法違反（酒気帯び運転、報告義務違反）の疑いで地検岩国支部に書類送検した。

　同署によると、海兵隊員は昨年12月3日午前7時10分ごろ、岩国市錦見1丁目の自動車販売店に侵入し、鍵を持ち出して敷地内の乗用車（時価530万円相当）を盗んだうえ、酒気を帯びて運転。同市旭町2丁目の交差点で停車していた軽乗用車に追突し、乗っていた女性2人に首のけがを負わせたにもかかわらず、そのまま逃走した疑い。隊員は容疑を認めているという。同署は「厳重処分」を求める意見を付けて送検した。

　事故後、隊員は米憲兵隊の取り調べを受け、岩国署は任意で捜査していた。米軍岩国基地報道部は「かけられる全ての容疑に対して真剣に受け止めており、日本の法的手続きがすべて完了した後、さらなる適切な措置を検討します」とコメントした。車の所有者の自動車販売店員、原田順一さん（38）は「ステップがひとつ進んだ」と話した。（川本裕司）