京セラ創業の稲盛和夫さんの素顔、生き様は 記者が聞いたエピソード

有料記事

野崎健太
[PR]

 2022年、鬼籍に入った京セラ創業者の稲盛和夫さん(享年90)。第二電電(現KDDI)の設立や日本航空の再建も手がけ、自身の経験に根ざす哲学を説いた。稲盛和夫さんは鹿児島県出身。朝日新聞とKKB鹿児島放送が配信中のオンライン記者サロン「経営の神様・稲盛和夫の素顔に迫る」では、記者たちが取材で見聞きしたエピソードなどを紹介している。

 記者サロンの出演者は、KKB鹿児島放送ニュース解説委員の樺山美喜子さん、元朝日新聞編集委員の多賀谷克彦さん、朝日新聞鹿児島総局の冨田悦央記者。稲盛さんや家族、元同僚らへの取材経験をもとに語り合った。まずは生い立ちから――。

 戦争末期の空襲により、鹿児島市で印刷業を営んでいた稲盛さんの生家も被災。一家は自家製の塩や焼酎を売って暮らした。

 樺山さんは稲盛さんへの取材で、当時の思い出を聞いた。焼け残った羽釜と竹林から切り出した竹筒で蒸留装置を作り、闇で仕入れた米こうじと芋で焼酎を製造。それを水枕に入れてマントの下に隠し、市街地で売り歩いたという。

 冨田記者はこうした体験について「子どものために必死に生きる両親の姿を見て商才を育みながら、家族や仲間を大事にするよう育ったのだろう」と話す。

 京セラの創業から間もないころ、若い社員が給料を上げてほしいと稲盛さんの家に直談判にきて、3日3晩の話し合いになったことがある。多賀谷さんは、そんな難局に立ち向かった経験から「社員の幸せを第一にする」という経営哲学が生まれたのだろうとみる。

記事で紹介するのは配信内容の一部です。ぜひ記者サロンの本編もご覧下さい。視聴は無料。募集ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11009641別ウインドウで開きます)から、23年1月31日午後6時までにお申し込みください。同日午後11時59分まで何度でもご覧いただけます。樺山さんが制作を務めたKKBの追悼特別番組「牛丼とラーメンと 稲盛和夫 十の証言」も23年1月6日まで見逃し配信で視聴できます。TVer、テレ朝動画、ABEMA、GYAO!で、番組名を検索してください。いずれも無料。

 第二電電の設立も、日航の再建を引き受けたのも、「業界の中で競争原理が働かないといけない」との信念があったからだと多賀谷さんは指摘する。

 牛丼やラーメンが大好きで…

この記事は有料記事です。残り1245文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら