山陽学園の中高生が防災風呂敷 児島デニムのあまり生地で

松尾慈子
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 地元の特産品を生かし、災害の時に役立つものを作りたい――。地域防災活動に取り組む岡山市内の中高生が、倉敷市のメーカーから余った高級デニムの生地を譲り受け、ビッグサイズの防災風呂敷を手作りした。岡山の魅力が詰まった新商品として、岡山市内で販売も始まっている。

 防災風呂敷は、山陽学園中学・高校(岡山市中区門田屋敷)の生徒たちが作製した。107センチ四方の正方形で、シャツ用の柔らかいデニム生地を使った。

 厚みがあるので、災害時にはたたんで防災ずきんや毛布代わりに。普段はショールのように羽織りものとして、角を結べば肩掛けバッグとして活用できる。

 1枚1千円(税込み)。

 防災活動に力をいれている同市北区野田4丁目の岡山トヨタ自動車野田店で販売している。

 1年ほど前、同校JRC(青少年赤十字)部顧問の緒方康之教諭(48)が、同部出身で同社に勤める板井悠さん(26)に相談をもちかけたのがきっかけだ。

 「地域の環境保護にも生かせる防災活動がしたい。例えば児島デニムの余り生地で風呂敷を作りたいが、誰か知りませんか」。同社の顧客で、「F.O.B FACTORY」のブランドで知られるスタジオ・エクリュ(倉敷市児島下の町4丁目)の奥本博通会長(67)に連絡を取って面会した。

 すぐさま意気投合。「生地には自信がある。自由に使って」と奥本会長。礒野誠司社長(50)の協力でデニムシャツなどに使う薄い高級な生地の余りを譲ってもらえることになった。

 部員約10人が倉敷市の工場まで出向き、現場で業務用ミシンの使い方を教わり、採寸、裁断、ミシンかけまで自分たちで担った。普通の布より分厚いので縫うのに苦労したというが、約50枚ができあがった。包装紙も中学生がデザインした。

 同部の高校3年の石塚咲也子さんは「会社でいらないとされた生地が、新しい形で私たちの手で商品になるのはとても楽しいです」とにっこり。

 風呂敷の使い方を調べるところから始めたという同級生の大住ひよりさんも「地元・岡山の魅力を伝えるものにもなったので、多くの人たちに『いいな』と思ってもらえたらうれしい」と話していた。(松尾慈子)

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