このほど閉幕した映画祭「第23回東京フィルメックス」。今年もアジアを中心に魅力的な作品が並んだが、課題は資金難だ。
「暴力」と「抑圧」のテーマ性
10月29日~11月6日まで開かれた国際映画祭「第23回東京フィルメックス」(朝日新聞社など共催)。アジアの新鋭や国際的に活躍する監督の作品を集め、7153人が足を運んだ。
9作品が参加したコンペティション部門には力作が並んだ。最優秀作品賞を受けたのは、マクバル・ムバラク監督の「自叙伝」(インドネシアなど)。地元で絶大な影響力を持つ家主の世話をする青年のストーリー。家主の権力性が帯びる暴力や父性を求める青年の欲求、抵抗を骨太な映像で描写した。
この暴力と抑圧というテーマ性は、オープニングで上映されたジャファル・パナヒ監督の「ノー・ベアーズ」(イラン)や、観客賞を受賞した工藤将亮監督の「遠いところ」などにも通底するものだ。「遠いところ」は、沖縄の若者の貧困や共依存などの負の連鎖に正面から迫った視点が光る。
力作ぞろいだった今年の東京フィルメックス。中でも韓国映画の強さは別格の印象を残しました。一方で、映画祭を今後も開いていくための「お金」が課題です。その実態にも迫ります。
審査委員長のリティ・パン監…
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