改革3年目、動き始めたコンペの両輪 東京国際映画祭を振り返る

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編集委員・石飛徳樹 佐藤美鈴 細見卓司
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 第35回東京国際映画祭は最高賞の東京グランプリにスペインフランス合作の「ザ・ビースト」を選んで2日に閉幕した。安藤裕康チェアマンが改革を始めて3度目の開催。にぎやかさが戻った一方で、新たな課題も見えてきた。

 黒澤明賞が14年ぶりに復活した。過去にスティーブン・スピルバーグ監督ら超一流の映画人が受けている。日本で最も大事な監督の名を冠した賞を軽々につぶすのは歴代受賞者に失礼であり、そんな映画祭が国際的な信用など得られるべくもない。

 復活後の最初の受賞者はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督。前者は長編デビュー作「アモーレス・ペロス」が東京国際でグランプリを獲得。その後、世界的監督になった。後者も「歓待」の受賞を飛躍の契機とした。いずれも東京国際が発見した才能だ。授賞式で2人が黒澤映画への愛を語ったのが印象に残る。

9日間にわたる東京国際映画祭が閉幕しました。開催中には、いまの映画界の課題について、俳優の橋本愛さんや松岡茉優さんたちからも問題提起がありました。担当記者が振り返ります。

 今年はほかに「羅生門」以降…

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