現役を引退したフィギュアスケートの田中刑事(27)=国際学園=は今、同じ岡山県出身の高橋大輔(36)を育てた長光歌子コーチ、淀粧也香(よどさやか)コーチが教えるクラブのアシスタントコーチとして、指導者の第一歩を踏み出した。
「めちゃめちゃ難しいです。ゼロからスケートを教えていかないといけないですから。自分の感覚だけで伝えても伝わない。いろんな年代の子がいるので、それぞれの年代で、今の時代に沿ったものを教えないといけない。まだ始めたばかりですが、学ぶものがたくさんありますね」
ひょうご西宮アイスアリーナで、クラブの生徒やスケート教室の子どもたちを教えている。
「ルールも自分が昔やっていたものとまた違う。例えばバッジテストは、自分がやっていた頃と内容がまったく違っている。今の先生方はそこに対応している。自分にはそういう経験がないので、知っていかないといけない」
コーチになる夢は、小さい頃から抱いていたという。4月29日にコーセー新横浜スケートセンターで開かれた引退会見で、田中はこう話した。
「長い競技生活の中で経験した成功や失敗を通して、スケートの楽しさや技術を伝え、さらに選手の成長にとって必要なことは何かを考えて、一人ひとり真摯(しんし)に向き合っていきたい」
成功や失敗――。
2018年平昌五輪代表にまでなった田中だが、その競技人生は決して順風満帆ではなかった。
11年世界ジュニア選手権で2位に入って注目を浴びたが、国内のジュニア王者を決める全日本ジュニアを制するまでには8度の出場を要した。
13年全日本ジュニアで頂点に。14~15年シーズンにシニアに完全移行した時は、大学2年生だった。「遅咲き」と言っていい。
「ジュニアの頃はちょっとず…
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